明けましておめでとうございます。
ちょうど昨年の今頃、新型コロナウィルス感染症の発生が確認されだしました。その後あっという間に世界全体に拡大し、現在もなお感染症の流行は続いています。社会活動の停止や制限に伴い私たちの生活も制約を受け、今後もしばらくは今のような生活が続くと思われます。流行の長期化に伴い、メンタルヘルスの問題はさらに大きくなっていくものと思われます。「自分が感染したらどうなる」「先が見えない」ことへの不安は人を常に緊張させ、こころの余裕を奪っていきます。このため猜疑心も高まり差別や攻撃的な言動につながっていきます。これに加え経済活動の縮小による貧困、高齢者の不活発、イベントや集まりの減少から人々は「孤立」し、その結果うつ病や不安障害、依存症などの精神障害に至るケースが増えていくと推測されます。このような状況では「だれもが」こころに不調を生じる可能性があるのです。
私たちのこころを守るためには「孤立」を防ぎ「つながり」をもつことが大切なのです。
ソーシャルフットボール協会は、フットボール(サッカー・フットサル)を通じて精神障がい者が心豊かに社会生活を送れるようになるための支援を行っています。精神疾患にかかった人は、病気そのものの苦痛に加え、精神疾患に対する偏見から自信を失い、孤立しがちになります。そんな人がフットボールを通じて人と人とがつながり支えあい、仲間を得て自信を持つことができるようになり、さらなる社会参加に向かう例が多くみられます。このような取り組みは、今のコロナ禍においてより幅広く必要になっていると考えます。
何かを通じて「つながり」を回復することが、今ある社会課題の解決に向かうことを信じ、フットボールの力を信じて今年も活動してまいります。本年もソーシャルフットボール協会へのご支援・ご協力のほどお願い申し上げます。
令和3年 元日
特定非営利活動法人日本ソーシャルフットボール協会
理事長 佐々 毅