新年のご挨拶
Open the window ―精神障がい者の価値を高める―
明けましておめでとうございます。
昨年度、日本ソーシャルフットボール協会(JSFA)、日本サッカー協会(JFA)ならびに日本障がい者サッカー連盟(JIFF)は、「障がい者サッカーの発展」と「スポーツを通じた共生社会づくり」の推進を目的として、JSFAが編成する日本代表チームのユニフォーム・トレーニングウェアを、サッカー日本代表と同じデザインといたしました。他の日本代表カテゴリーならびに障がい者サッカー団体とともに、「同じサッカーファミリー」として活動をしています。
「障がい者」はこれまで特別視され、「施すもの、施されるもの」といった関係が続いてきました。障がいのある方、ない方が「閉じられた窓越しに」相手を眺めてきたように思います。これからは、障がい者に対して「合理的な配慮」は必須ですが、それがなされた上で障がい者が可能な範囲で責任や権限を負い、持っている能力を発揮する機会を創ることが必要と考えます。ソーシャルフットボールを通じてプレーヤーはまず自分のために頑張ります。次にはチームの仲間や新しく入る人を支援、更に社会に自分が貢献できることは何かを考えるようになっていきます。この過程で彼らの多くは自身の経験から、他者配慮や多様な考え方を認める能力を持っていきますが、それを発揮する機会がないのが現状です。
昨年度に朝日印刷株式会社と「スポーツを通じて多様性を認め尊重しあう共生社会づくりの推進」を目的としてパートナーシップ契約を提携しました。その中で社員やそのご家族を対象に「みんなが楽しめるサッカーのルールを考える」イベントを行い、そこでソーシャルフットボールの選手が自身の体験を話したり、チームのファシリテーターとして話し合いを促進する役割を担いました。また、JIFFとの連携で、小学校でのメンタルヘルスについての教育プログラムや企業研修プログラムでプレーヤーが主体となって場を進めています。JSFAはプレーヤー主導の教育研修プログラムを推進し、精神障がい当事者が社会にとって価値ある人であることを強調していきます。
窓を開きましょう!
障がいのあるなし関係なく、少しの勇気・相手への尊重・思い込みを排し率直さを持って。
窓の向こうにはきっと違う景色がみえるでしょう!
令和6年 元日
特定非営利活動法人日本ソーシャルフットボール協会
理事長 佐々 毅